名前だけ聞けば「ごきげんよう!」と言いたくなる台風10号「サンサン」。
2024年8月末に日本にやってきました。
しかしその愛らしい名前とは裏腹に、のんびり屋の彼女は日本各地に激しい風雨の洗礼を浴びせました。
近年は地球温暖化の影響で、強力な熱帯低気圧が続々と誕生し、世界各地で大暴れしています。
けれど、「ハリケーン」「サイクロン」「タイフーン」って、実際のところどう違うの?
知っているようで意外と知らない、嵐の世界をちょっと覗いてみましょう。
ハリケーン、サイクロン、タイフーンって何者?
実はこれらはすべて、熱帯低気圧の構造を持った渦巻く嵐のこと。
最大風速が秒速32.7メートル以上になると、「おお、これはヤバい!」ということで、晴れて「ハリケーン」「サイクロン」「タイフーン」と呼ばれるようになります。
しかし、その名前はどこを旅しているかで変わるんです。
- ハリケーン:北太平洋東部、北大西洋、カリブ海、メキシコ湾
- サイクロン:ベンガル湾、アラビア海、北インド洋、南太平洋
- タイフーン:北太平洋西部、南シナ海
これ以外の海域で発生することはほぼありません。
例えば、海水温の低い北極海や南極海などでは、大量の水蒸気をエネルギー源とする熱帯低気圧は大きく育つことができません。
また、赤道直下の海域でも、コリオリの力(地球の自転によって起こる転向力)が発生しないので、嵐は渦を巻かずに終わります。
日本の「台風」は少し特別
日本では、10分間の最大風速が17.2メートルを超えると「台風」と呼びます。これ、ハリケーンやサイクロンの基準と比べると風速は半分ほど。だからと言って、侮るなかれ!日本でもしっかりと威力のある嵐がやってきます。
そして、「サンサン」は国際基準でも見事な「タイフーン」でした。最大風速はなんと秒速50メートル。なかなかパワフルな彼女ですね。
台風に名前があるの、知ってた?
そうなんです。台風にはひとつひとつ名前が付けられています。
今回の「サンサン」もその一つで、これは香港が提案した「少女の名前」。
2024年の台風11号は、なんと日本由来の「ヤギ」。
サンサンに負けず劣らず強い勢力で「猛烈な台風」にまで発達してしまい、ベトナムを始め各地に大きな被害をもたらしました。
台風? ハリケーン?アメリカから来る嵐
北大西洋の東側で発生したハリケーンやトロピカル・ストームが東経180°を超えて日本に近づくと、「越境台風」と呼ばれるようになります。
近年の海水温の異常気象が原因ではなく、昔からある現象で2023年の「ドーラ」も、そのひとつ。
ハワイ島やマウイ島のあたりに被害をもたらしますが、その後海の上で勢力を落とすことが多く、日本まで大きな被害をもたらすことはまずありません。
嵐の季節、旅行はどうする?
台風やハリケーン、サイクロンが影響する地域への旅行を計画しているなら、事前に対策をしっかりと!航空機が遅延したり欠航した場合に備えて、海外旅行保険の特約があると安心です。
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